外せない用事は予約する

「おい、もうこんな時間だ。帰るぞ」



『は、はい』



「まったく、休日出勤して21時まで残ってる奴がいるかよ」



『すみません、今週中にこれだけは終わらせたくて...。もう少しで終わりますから。』



「そうか...」





『すみません、お待たせしました。終わりました。』



「お、終わったか。じゃあ帰るぞ」
「もうこんな時間だし、腹減ったろう。ラーメンでも食べて帰らないか?」



『あー...すみません。せっかくで申し訳ないんですけど、今日はちょっと帰らなきゃいけなくて...。』



「おぉ、そうか。なんかあるのか。」



『はい、ちょっと予約が...。』



「予約?」



『はい、予約です。』



「おー、予約か...。こんな時間にか。どっか飲みにでも行くのか。」



『いえ、そういうわけではないんですけど...。』



「えーじゃあどういうわけなんだよ、予約があるんだろう?」



『はい、予約があって...。』



「だから何の予約なんだよ?外せない用事なんだろう?」



『外せないかって言われたら微妙なんですけど...』


『炊飯の予約が...。』