ルール違反の美学

※※本記事には、ルール違反を肯定、または推奨する意図は一切ございません。※※




檸檬茶です。今回は少し変なテーマで記事を書いてみようと思う。
きっかけについては各々察するところがあると思うが、おそらくそれで合っているとしよう。あえて明言はしない。


このタイトルを見て、「ルール違反は許されない!」「美学もクソもないだろう?」「いつもお前みたいなやつに困らされてるんだが@仲間大会主催」という声が聞こえてきそうだが、それは何も間違っていない。ぐうの音も出ない正論である。

だが一方で、私には、ルール違反に対しても全否定以外にも思うところがある。業が深いことと知りながら、筆を執ってみようと思う。





ルール違反は、2種類に分けられる。それは、"無意識な違反"と"意識的な違反"である。

文字の通りである。ルールを読み間違えた、見落としていた、個体を取り違えた、ピックするパーティを間違えた、技を変え忘れた......。それらは"無意識な違反"であろう。一方で、違反しようと思ってするのが"意識的な違反"である。
対戦途中でルール違反に気付いたら?潜るのをやめる、その個体を選出しないのいずれかをする方が多いだろう。気付かないふりをして続けるようなことをしなければ、別に咎める人もいないと思う。仮に対戦を続けたら、それは"無意識な違反"が"意識的な違反"になってしまう。

本来なら、ルール作成側にも、例外が多く発生するような複雑なルールを作るなとか、確実に意味が一通りに伝わるように書け(『頭が赤い魚を食べる猫』みたいな文を避ける)とか、言いたいことはたくさんあるが、それは今回の主題ではない。また、大会ID発行時にシステム側からある程度制限することも可能ではあるが、ルールの小回りが利かないという理由から、残念ながらその制限が適用されることが少ない。その件についても一家言あるが、それも割愛する(先日の騒動でも某大手実況者様が言及されていましたね)。

今回考えたいのは、言わずもがな"意識的な違反"の方である。このブログは、積極的に地雷を踏んでいく覚悟がある。





ルール違反は、2種類に分けられる。それは、"自分が有利になる違反"と"自分が有利にはならない違反"である。

文字の通りである。例えば進化前限定の大会にザシアンでも連れて行こうものなら、それはどう見ても"自分が有利になる違反"と言えるだろう。一方、伝説のポケモンを絶対にパーティに入れる条件のある大会に、一般ポケモンのみのパーティで挑むとなると、おそらく不利になる。これは"自分が有利にはならない違反"といえると思う。


私は、ルール違反に有利不利の条件を与えるだけで、その考察は少し面白いものになると思う。

ルール違反は問答無用でアウトだろう、と言う人がいる。私はこっちだ。それがルールだから。だが、自分が不利になっているなら別によくないか?と言う人もいるだろう。これも頷けないこともない。ルールは公正、公平にするためのレギュレーションであって、その水準に達していないのなら、それが咎められる理由はルールが存在することにしか依らないのだから。ここには各々の倫理観や価値観、何を目的にルールを定めているかが顕著に現れると思う。少し考えてみてほしいかもしれない。




ここからが本題。

先ほど挙げた2種類を、一緒に考えてみる。あるルール違反を目撃したとして、それが明らかに故意であることが分かるとする。そして、そのルールによって、別に有利になっているとは言えなさそうな場合、それは何を狙ったルール違反だろうか?

許容されるか否かという点については、ルール違反による有利不利の段階で割れるので今回は考えない。何を狙ったルール違反なのか、ということ。
そしてこれは蛇足だが、他のパターンは考える意味がない。"故意だが別に有利にもならないルール違反"だけ考察の余地がある。



例えば愉快犯や模倣犯なら、別に有利にならないようなルール違反はしないと思う。ルール違反をしている背徳感が欲しいなら、そのリターンは罪深い必要がある。

では、舐めプ?それは美しくない。そのような方法で自分が気持ちよくなりたいだけなら、それは他人の土俵でやるべきではない。

もしかしたら、本当は故意のルール違反ではなかったのかもしれない。たぶんこれが一番有力だろうか。だが、それは今回の思考実験における仮定に反するので考えない。としたい......。



私は、そこに彼ら/彼女らなりの美学を見たい。相棒と共に戦いたい、その並びに意味を与えたい。そこには、ルールでは縛りきれないポリシーがあるのかもしれない。


理解できない美学、そこには本人しか知らない過去があり、誰にも明かしていない思いがある。


そんな美学があるのなら。私は黙ってそれを尊重したい。



例え虫統一にドラピオンが入っていても。






校正の私「それが言いたかっただけだろシリーズ」